東京税理士会・東京税理士政治連盟共催「令和2年度税制改正の動向に関する勉強会」に出席しました 

2019年10月25日

日時 令和元年10月25日(金曜)17時30分~19時30分

場所 参議院会館

 税制改正大綱は12月12日発表された。その前に行われた「令和2年度税制改正の動向に関する勉強会」、この会の内容が大綱にどのように影響を与えているかを検証することも、今後の税制改正に取り組む者にとって参考になると思う。

議事録

10月25日 参議院会館にて「令和2年度税制改正の動向に関する勉強会」に参加してきました。本勉強会は片山さつき先生呼びかけで始まり今回で4年連続4回目。毎回、財務省、国税庁他各省庁の課長さんにご参会頂き生の立案過程・背景をお聞きできることまた、税政連が税理士の地位向上のためや納税者の更なる利便向上のため推し進める要望について直接伝える貴重な機会となっています。
片山先生からは、地域金融(信用金庫や地方銀行など)の健全化に向けての計画や東京への過度な一極集中の問題、最低賃金の改定や、いわゆる2022年問題と言われる、農地改正について、また、外国人労働者問題など幅広くお話をいただきました。

その上で税制に関することとしては、
・企業版ふるさと納税の抜本的な見直し(充実)を目指す
・第三者承継の事業承継税制の更なる拡大をめざす
・オープンイノベーションに対する税制の優遇
・防災設備減税などの改正要望についてご意見をされていました。

個人的には、体育館、テニスコートなど利用者の利便性のために設備投資をすればするほど固定資産税が上がってしまう、防災時に活用できる施設などは固定資産税の減税も検討するべきというお話に感銘を受けました。
また、税理士が消費税増税・複数税率に反対な立場は承知しているという前置きを頂いた上ですが、消費税の増税にともなう現場の混乱について、インバウンド対策としてのキャッシュレス対応、ポイント制度の合理性について検討していかなければならず、消費税制度そのものについて、さらに議論を深めていく必要があるという発言をいただきました。

財務省・国税庁より

・消費税の軽減税率制度、インボイス方式についての趣旨説明

インボイス制度は消費税の逆進性を緩和するために導入した、複数税率の適正な計算のためインボイスが必要、準備期間も十分余裕をとり緩和措置を設けた上導入します。今後導入にあたってはご協力いただきたいとのこと。

・役員給与損金不算入制度の見直しについて

役員の役務提供の対価、恣意性の排除が必要であり定期同額、事前確定などを設け整備をしているとのことで見直しについては議論に上がらない状況です。
法人・個人の税率差から恣意的な調整。

・個人事業者番号の導入について

具体的ニーズを踏まえ検討していきます。

・所得税の確定申告について

利便性を高めマイナポータル制度を令和2年を目指しています。

・年末調整ではなく年始調整(1月)など良いのでは?

参考意見ありがとうございます。利便性向上も考えていかなければならないとのこと。

・経産省要望の消費税の申告期限の延長について

預り金の性質のため延長の趣旨に馴染まないという考えではあったが、働き方改革、事務負担、個人と法人の申告期限の違いなど検討しながら進めていきますとのこと。

・インボイス制度における免税事業者についての影響

免税事業者の調整コスト、事務負担の配慮はどうなるのか?
インボイス制度の兼ね合いしかたない。

総務省より

・償却資産の申告日について

国税の申告と合わせるべき。
環境整備(電子申告)の検討を進めています。

内閣官房より

・インボイス番号を個人事業主番号の活用で対応

経産省より

・オープンイノベーションの促進
・事業承継
・エネルギー課税
・国際課税の見直し、消費税の申告期限の延長
・債務超過の貸付評価、財産評価通達見直し